ジョン・フェイヒー『The New Possibility:John Fahey's Guitar Soli Christmas Album 』

The New Possibility: John Fahey's Guitar Solo Christmas Album; Christmas with John Fayey Vol II

今年もクリスマス・アルバムが店に並ぶ季節になりましたね。食傷気味の方もいらっしゃると思うけど、クリスマス・ソングにはいい曲が多いので、なんとなく心が浮き立ちます。単純ですね（笑）。過去にも集中してクリスマス・アルバムをレヴューしたことがありました。
これはその後に購入したクリスマス・アルバムの中でも特に気に入っている一枚で、ジョン・フェイヒーの２枚のクリスマス・アルバムを１枚にまとめたものです。いきなりテープ・コラージュがなだれ込んでくるとか、ジム・オルークのような人が音を加工しまくっているといったことはなく、丹念に曲を奏でているアルバムなのであらぬ期待はしないように（笑）。ただ、彼の場合普通に曲を弾いていてもどこか音の背後に不穏な気配が漂っているように感じられます。クリスマス・ソングでも事情は変わりません。最後に配された１２分以上に及ぶトラッド「Christmas Fantasy-Part Ⅱ」にその不穏な気配が最も顕著に感じられます。単なる癒し系ＢＧＭとは一線を画す“棘”があるんですよね。簡単には尻尾をつかまえさせない人です。