wunder『Wunder』

Wunder

Wunder

もし音で聴く『電子音楽 in Japan』!が5年前に開催されていたら、morrKaraoke Kalkに代表されるエレクトロニカはどのように取り上げられていたでしょうか。すっかりこの手の音も定着して、この作品など既に古典的な一枚となっている感もありますが、ここで聴かれるセピア色の繊細な感覚は今聴いても充分に新鮮です。電子音とサンプリング中心に組み立てられた音楽なのに、まるでネオアコのアルバムを聴いているかのような印象を与えることに当時は驚いたものでした。かつて山下スキルさんがこの辺りの音楽を“牧歌テクノ”と称したことがあって個人的にはとても気に入っていた呼び方だったのですが、市民権を得るまでには至らなかったのが残念です。