1stが大成功したのに、その後の
アメリカ・ツアーであっというまにバラバラになってしまったグループをフリップが必死にとりまとめて作った2nd。
ビートルズ「カム・トゥゲザー」のパロディ「キャット・フード」などの新側面もありますが、前半は明らかに前作をなぞってつくられたもので、評価が若干落ちるのは止むを得ないですね。緊密感がやや欠けるのが残念。とはいっても「
ケイデンスとカスケイド」は個人的には「風に語りて」より好きな曲で、メル・コリンズの柔らかいフルートと、ゴードン・
ハスケルの煙ったような声がもたらす抒情にうたれます。
ハスケルはフリップ先生の覚えがよろしくないようで、後の
ベスト・アルバムでは
エイドリアン・ブリューにヴォーカルを差し替えられたりしていますが、ブリューにはこの繊細な抒情は出せないので、いくらブリューファンの私とはいえ、差し替え版を聴いたときはかなり興ざめしたものです。