ライ・クーダー『マイ・ネーム・イズ・バディ』

マイ・ネーム・イズ・バディ

マイ・ネーム・イズ・バディ

昨日採り上げた細野とあがたの新作を聴いていて思い浮かんだのがこのアルバムです。猫のバディの放浪の旅をモチーフとした本作は、細野のアメリカ志向の音作りとあがたのコンセプト志向が合わさってつくられたような作品に仕上がっています。ブックレット仕様になっているのも両者と共通していますね。かつてのライ・クーダーのアルバムは昨日の言葉で言えば細野に近い“中間報告書”タイプのものでしたが、最近のアルバムはあがた的ながっちりとしたコンセプト・アルバムになっているのが面白い。今の私には細野・あがた・ライが同じ地平に立っているように思われるのです。個人的には妖しいラテン色が漂っていた前作『チャベス・ラヴィーン』の方が好みですが、こちらのごきげんなグッド・タイム・ミュージックも悪いはずがありません。かつてはなかなかオリジナル・アルバムが出ず、発売されるのはサントラばっかりだった時期(もちろん、聴き応えのある作品が多かったのですが)もあっただけに、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」以降の充実した活動はファンとしてうれしいかぎりです。