久しぶりに強烈な洋楽の新譜に出会いました。XTC(特にデューク・オブ・
ストラトスフィア辺りのサイケ感に共通するものを感じます)や
トッド・ラングレンが21世紀にデビューしていたらこんな音楽をやっていたかも?と思わせるカラフルでアイディアに富んだポップ・ミュージックです。ただポップなだけではなくて、ちょっぴりマッドな雰囲気を漂わせているところも似ているんですね。もっとも彼らはいわゆるロック的なバンド・アンサンブルにこだわっていないので、前作「フィールズ」では結構響き渡っていたギター・
サウンドはこのアルバムでは鳴りを潜めているし、ドラム・
サウンドもリズム・キープとは異なった感覚で使われています。その分ミニマルなシーケンス・フレーズが目だっているのですが、
音響派的な繊細さよりもワイルドなエネルギーを感じさせる音色で、そこに個人的には“ロック”を感じますね。
アヴァンギャルドにいきそうなところをポップ・フィールドにぐいと引き戻すポップなメロディーとコーラス・ワーク、そして毒を含んだユーモアがギリギリのバランスで形になっているスリリングなアルバムです。