久保田麻琴『スピリット・オブ・ヒーリング〜バリ』

スピリット・オブ・ヒーリング~バリ

スピリット・オブ・ヒーリング~バリ

なんとも深くて濃いリゾート・ミュージックだ。蜜のような空気を感じてトロトロになる。「癒し」というものが軽いものじゃないということは、まさしくこの音楽が表現していることだ。― 細野晴臣

湿気と暑さがうっとおしくなってきたこの時期になると久保田麻琴の音が恋しくなります。去年の今頃も久保田の『Kauai march-05』を取り上げた記憶がありますが、今年はこれにお世話になりっぱなしです。ニューエイジのコーナーでこのアルバムを見つけたときは少し驚きましたが、聴いてみると現地録音で自然音とガムランやスリン、ジェゴクといった伝統楽器をアンビエントの空気感の中に巧みに溶け込ませた、『Kauai march-05』の路線にある極上のヴァーチャル・リゾート・ミュージックとなっていました。聴いている間は細野晴臣がライナーで書いているような蜜のような空気に包まれるかのようですが、聴き終えた後は不思議と爽やかな気分になれます。