ジュディ・シル『ライヴ・イン・ロンドン BBCレコーディングス72~73』

ジュディ・シルが訪英時に残したライヴ音源をまとめたアルバムです。彼女自身のアコースティック・ギターもしくはピアノの弾き語りというシンプルな形式ですが、そこには例えようのない美しさと深みが表れています。アルバムでは壮大なアレンジが施されていた大曲「The Donor」もここではピアノだけで歌われているのですが、スタジオ・ヴァージョンとはまた異なった切迫感がはっきりと伝わってくるのです。このアルバムのハイライトといえるでしょう。
また、このアルバムは複数の音源をまとめているので同じ曲が何回か登場してくるのですが、それぞれの違いを聴き比べる楽しさがあります。個人的に彼女のベスト・ソングである「The Kiss」が3回も聴けるのがうれしい。彼女の音楽はその佇まいこそシンガー・ソングライター然としていますが、私はなぜかバッハやモーツァルトに近いものを強く感じずにはいられないのです。こうして貴重な彼女の音源がきちんとした形で出たことにただ感謝あるのみですね。

You Tubeで見るジュディ・シル

The Kiss

アンディ・パートリッジが彼女から大きな影響を受けたというのがうなずける名品。DVD「THE OLD GREY WHISTLE TEST VOLUME 2 [DVD]」に収録されています。蛇足ですがこのDVD、ジュディ以外にも貴重な映像が多く収録されていてお勧めですよ。

Jesus Was A Cross Maker

こちらも優しいメロディーを持った佳品ですね。