メグ・ベアード『ディア・コンパニオン』

ディア・コンパニオン

ディア・コンパニオン

1971年に本作1枚だけを世に残しシーンから姿を消した、ブリティッシュ・フォーク幻の歌姫の名作が待望の復刻!アコースティック・ギターダルシマーが彼女の透き通った儚いヴォーカルを美しく包み込む。ジュディ・シルヴァシュティ・バニヤンなどフィメールSSWファンは必携です!

・・・なんて宣伝文がディスク・ユニオンでつけられていたら本気で信じてしまいそう。発売されたとたんに何年もの時を隔てて現れたかのような錯覚に陥れるアルバムですが、これはフリー・フォーク・シーンを代表するフィラデルフィアのグループ、エスパーズのメンバーのソロ・アルバムです。エスパーズ本体よりもアシッド色は薄くて、ジャケットから受けるイメージ通りの柔らかい響きをもった陽だまりフォーク。トラッド・ナンバー4曲と彼女の自作曲が1曲、残り5曲はジム・ウェッブなどのカヴァーからなる構成ですが、トラッドと他の曲の間に違和感が全くないことに驚かされます。こういうまどろむような美しさを持った音楽を聴いてしまうと、その後何もやる気がなくなってしまうからコワイ(笑)。