坂本龍一+クリスチャン・フェネス『cendre』

cendre

cendre

NYへ移住後は人が変わったようにふぬけた作品ばかり出し続けた教授ですが、ここにきてやや復調の気配ありです。クリスチャン・フェネスの電子音と教授のピアノによるデュオで、同様の試みはかつてアルヴァ・ノトとも行っていましたが、フェネスの持つ叙情性が教授のピアノと相性が良く、互いの長所を引き立てているような仕上がりになっていると思えます。ただ、久しぶりに教授がらみのアルバムで愛聴できるものになったのはうれしいのですが、教授のピアノだけだったら多分失望しただろうなあと思えてしまうのが残念。私が彼に期待しているものが高すぎるのですかね・・・どうしても「まだまだこんなもんじゃないだろ」という気持ちが残ってしまうんです。