奥泉光『新・地底旅行』

新・地底旅行 (朝日文庫 お 53-1)

新・地底旅行 (朝日文庫 お 53-1)

『「吾輩は猫である」殺人事件』『鳥類学者のファンタジア』の系列につながる作品で、前2作と共通する登場人物、設定が見られますが独立した作品としても充分楽しめます。ジュール・ヴェルヌ地底旅行」を大枠としながら、『「吾輩は猫である」殺人事件』で自家薬籠中のものとした漱石の文体を縦横に駆使。本家漱石の「猫」や「夢十夜」のモチーフも飛び出すのが楽しい。続編を示唆する終わり方だが、実現するのでしょうか?