湯川潮音『雪のワルツ』

雪のワルツ

雪のワルツ

「夏」をテーマにした『紫陽花の庭』に続く「冬」をテーマにしたミニ・アルバムがようやく登場です。タイトル曲は三木鶏郎が残した、すこし古風で典雅なメロディーがなんとも味わい深い曲。続く自作曲「木の葉のように」も昭和歌謡を思わせるメロディーで、このミニ・アルバムのトータルなカラーを決定づけています。初めて聴くのに、どこか懐かしいような気分にさせられるセピア色の音楽集。ワルツ・ナンバーが多いことが独特のノスタルジックな雰囲気を醸し出しているのですね。彼女のヴォーカルの魅力はいつもどおりですが、サウンドの方は鈴木惣一朗の手を放れ、権藤知彦宮川弾などを起用することで幅をもたせています。もっともしっくり馴染んでいるのは宮川弾でしょうか。また、菅野よう子が曲を提供した「木漏れび」が収録されているのも注目ですね。室内楽的なアレンジが心地よい、穏やかな佳曲です。・・・といったように、全体的には新しい試みも自然にこなしている充実した作品でこれはこれでとても気に入っているのですが、次作では初期にみられたアシッドな雰囲気の曲をまたやって欲しいですね。メジャー展開ではむずかしいかもしれませんが・・・。

関連リンク

湯川潮音、冬の匂いに包まれた『雪のワルツ』リリース大特集 | BARKS
インタビューやPV映像が見られます。可愛いなあ。3月のライヴには行きますよ。