仙波清彦『ジャスミン・トーク』

Jasmine Talk

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あまり話題になっていないような気がしますが(^_^;)、仙波清彦の一連の作品がリイシューされています。日本を代表するパーカッショニストの一人だと思うのでこれを機会に彼の作品を手にとる人が少しでも増えればうれしいのですけれど・・・。
今回のラインアップの中では、豪華メンバーが集った「はにわオーケストラ」関連の作品は文句なしに楽しいので最初の一枚としてお勧めですし、88種類のパーカッションを駆使して多重録音で制作したソロ・アルバム『SEMBA~リズムのこづち』もくりたぬきさん(id:yuki-731)にはぜひ聴いて欲しい作品なのですが*1、今回取り上げた『ジャスミントーク』もそれらにひけをとらない、充実したアルバムです。
この作品をひとことで述べるならば“ヴァーチャル・汎アジアン・ミュージック”といえます。深いリヴァーヴのキーボードが響くなかインドの女性ヴォーカリスト、ギータ・ディシュパンデーが中国とも東南アジアともつかないメロディーを澄んだ声で歌うという無国籍な音楽世界。これだけだとパシフィック・ムーン・レコード辺りのヒーリング音楽とあまり変わらないのですが、そこに多彩なパーカッションによるポリリズムが加わっているところが仙波清彦ならでは。たゆたうアジアな旋律と躍動するビートが共存した懐の深い音楽です。コ・プロデューサーとして、コーラスやアレンジで活躍している上野洋子の貢献も見逃せません。

*1:はにわオーケストラ『イン・コンサート』のDVDも見て欲しいなあ。