秋の和みセレクト感想(5)kobbanovaさん

たおやかな和服少女が優雅に月見をしているジャケットでパッケージされて送られてきたid:kobbanovaさんのセレクト。全編和モノか?と思って聴いてみると流れてきたのはサイケでポップな曲・・・これは一本取られたなあと感心して聴き終えたのですが、曲目発表を見てちゃんと裏テーマである「空に関係する曲またはアーティスト」を暗示していたジャケットであることを知って唸りました。私は漠然と「遅く起きたある秋の休日の朝から夜まで」が裏テーマだと思っていたのですが大外れでしたね(笑)。しかも年代順の曲配列という凝りっぷり。全く気がつきませんでした。

01. Brother Lou's Love Colony / The Moon (1968)
02. Take Off Your Clothes To Feel The Setting Sun / Wolfgang Dauner Quintet (1969)
03. Flying Up Through The Sky / Oxfords (1970)
04. Shooting Star / The Mamas & The Papas (1971)
05. Love And Sunshine / Heaven Bound with Tony Scotti (1972)
06. Casablanca Moon / Slapp Happy (1973)
07. And You Never Know / Howdy Moon (1974)
08. Dust Off The Moon / Darling & Street (1975)
09. Daylight / Leon & Mary Russel (1976)
10. Everybody Loves The Sunshine / RAMP (1977)
11. Give Me The Sunshine / Leo's Sunshipp (1978)
12. 永遠のFull Moon / 山下達郎 (1979)

1,2とシタールをフィーチュアした曲が続きます。かつてシタール・セレクトをつくった私としてはうれしいスタート。2のグルーヴがかっこいい。3からはややソフト・ロック寄りにシフトした曲へ。ハーモニーの楽しさをたっぷり堪能させてくれます。ママス&パパスいいですねえ。5は昔から大好きなアルバムです。そして6は出ました、スラップ・ハッピーの代表曲。ファウストによるどこかぎこちないタンゴの演奏が最高。また来日してくれないでしょうか。7はやわらかなグルーヴとエレピ、可憐なヴォーカルが心地よい曲。実はヴァレリー・カーターのソロはあまりはまれなかったのですが、これは気に入りました。8も手持ちだけど久しぶりに聴きました。小粋な曲ですね。ここから徐々にソウル色が濃くなっていきます。9はレオン・ラッセルの強烈なヴォーカルがやはり印象的。10はロイ・エアーズの名曲のカヴァー。本人の演奏かと思っていたらプロデュースだったんですね。11は前の曲のムードを巧みに受け継いだ、kobbanovaさんの“つなぎ”の上手さが光る曲。そしてラストは山下達郎の名曲でフル・ムーン締めとあいなりました。

サイケ・ポップから始まりソフト・ロックを経てメロウ・ソウルへと、グラデーションのように滑らかに雰囲気が移り変わっていく。「空」や「年代順」の縛りを良い意味で感じさせない見事な編集技のセレクトでした。

kobbanovaさんの解説は↓
http://d.hatena.ne.jp/kobbanova/20061120