秋の和みセレクト感想(3)ankoroさん

いつもあっと思わせてくれるankoroさん(id:ankoro)のセレクト。今回も出だしの展開に「あっ、そう来たか〜」と唸らされました。実に洒落ていて、粋なセレクトでしたよ。

1.ラルゲット~「ピアノ協奏曲第2番 第2楽章」より/ドン・バイロン

2.クラリネットソナタ第1番ヘ短調op.120−1〜第3楽章/デムス(イエルク), ウラッハ(レオポルト)

3.Love Me /Stephan Seva,Didier Desbois,Oliver Lancelot

4.I'm Getting Sentimental Over You/Tommy Dorsey & His Orchestra

5.イスファハーン/デューク・エリントン

6.トゥ・ユー/デューク・エリントン・オーケストラ&カウント・ベイシー・オーケストラ

7.リル・ダーリン/カウント・ベイシー・オーケストラ

8.ブルー・アンド・センチメンタル/カウント・ベイシー&ミルス・ブラザーズ

9.チェリー/ミルス・ブラザース&ルイ・アームストロング

10.ア・フォギー・デイ/ルイ・アームストロングエラ・フィッツジェラルド

11.ア・フォギー・デイ/エラ・フィッツジェラルドジョー・パス

12.ア・フォギー・デイ/ジョー・パス

1はいきなり聴こえるクラリネットの響きが心地よい。まろみのある音色は秋にぴったりです。ドン・バイロン、ユリ・ケインという曲者による演奏ですが決して奇を衒ったものではありません。クラリネットつながりで続く2は手持ち。ウィーン・フィルの伝説的名奏者ウラッハによる味わいのある演奏ですね。ウラッハは私もいつか使ってみたいと思っていただけに、やられた!と思いました(笑)。3のノスタルジックな雰囲気もたまりませんね。スタンダードの4からはジャズ・オーケストラ、しかも共演者つながりといった趣向が続きます。5はエリントンの名盤から。甘さの中に“黒い”サウンドがにじみ出る感覚が流石です。6はエリントンとベイシー両巨匠の共演盤から。そしてカウント・ベイシーのこれまた名盤に収録された7へと続く流れが素晴らしい。8曲目でようやくヴォーカル曲登場。ミルス・ブラザーズのくすんだハーモニーが実に“秋”を感じさせてくれます。そのミルス・ブラザーズとサッチモが共演した9は確かにミルス・ブラザーズの声が若々しいですね。そして終盤は「ア・フォギー・デイ」3連発。エラ&サッチモのまたまた大名盤からの10、エラとジョー・パスによる11、ジョー・パスのソロへと続く見事な展開です。どれも甲乙つけ難い名演揃いで感想を言葉にするのが難しいですね。とにかくどれも心地よかったです(笑)。
様々な趣向がこらされながらも、作為的に聴こえる瞬間が全く無いという「あっぱれ、お見事!」な構成に脱帽したセレクトでした。手持ちは2,5,7,10。

ankoroさんによる解説は↓

http://d.hatena.ne.jp/ankoro/20061119