マディ・プライア&ジューン・テイバー『シリー・シスターズ』

SILLY SISTERS

SILLY SISTERS

76年作。既にスティーライ・スパンのヴォーカリストとして活躍していたマディ・プライアに対し、この頃のジューン・テイバーはほとんど無名の存在でした(このアルバム発表後に1stソロが出た)。それだけにリアルタイムでこのアルバムに接した人はマディ・プライアと堂々と渡り合っているジューンの歌唱にさぞかし驚いたことと思います。図書館で働きながら歌っていたそうですが、もう充分にプロとしての貫禄すら感じさせる歌唱です。

2人を支える伴奏陣も充実した顔ぶれで、マーティン・カーシー、ダニー・トンプソン、ニック・ジョーンズ、アンディ・アーヴァイン等といったイングランド勢とアイリッシュ勢が一緒に演奏しているのが特筆すべきところ。以後ブリティッシュアイリッシュのフォーク・ミュージシャンが共演することはほとんど無くなってしまうので、そういった意味からも記念碑的な作品といえます。
とはいえ、そんな背景を知らずともこのアルバムを楽しむことは可能であることはいうまでもありません。伴奏陣の的確なサポートも聴きものですが、無伴奏の曲で2人の奔放な歌声が織り成すハーモニーの素晴らしさは筆舌に尽くしがたいものがあります。

関連リンク

マディ・プライアのインタビュー。シリー・シスターズについてもたっぷり語ってます。
http://www.trinity-music.co.jp/2002maddy.html