アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『チュニジアの夜』

チュニジアの夜

チュニジアの夜

ウェイン・ショーターリー・モーガンがフロントを務めていた時期のジャズ・メッセンジャーズを代表する一枚です。なんといっても冒頭の「チュニジアの夜」がすごい。ブレイキーの爆発的なドラム・ソロに導かれ、グループ全体が圧倒的なエネルギーを放出して突き進む名演です。ショーター、モーガンがそれぞれ奔放なソロを披露しますが、そのバックで豪快にあおりまくるブレイキー、ファンキーに弾けるボビー・ティモンズのピアノ、粘り強いウォーキング・ベースで土台を支えるジミー・メリットといったリズム隊の快演も聴き逃せません。3曲目のジャズ・ロック「ソー・タイアード」、5曲目の「小僧のワルツ」(当時日本人の妻がいたモーガンによる曲)も聴きもの。後年のマイルス・クインテット時代程ではないものの、既に独自のうねうねしたフレーズを繰り出すショーターもさることながら、輝かしい音色で切れ味のあるフレーズを連発するリー・モーガンのかっこよさといったらありませんね。