カーネーション『LOVE SCULPTURE』

LOVE SCULPTURE

LOVE SCULPTURE

もうすぐ待望の新作が出るカーネーション。現在は3人で骨太なロックを展開する彼等ですが、今日取り上げたアルバムは5人時代の最終作です。
前作『Parakeet & Ghost』はプロデューサーに上田ケンジを迎えた野心作でしたが、このアルバムでも上田ケンジとの共同作業は継続。前作を引き継いだ奇妙に歪んだ音像はそのままに、楽曲がよりポップになったのが本作の特徴といえるでしょう。70年代ビーチ・ボーイズの(しかも『Love You』の頃)サウンド、コーラスを大胆に換骨奪胎した「Motorcycle & Psychology」から、タフなロック「Funny」を挟んで彼等らしい叙情を聴かせる「幻想列車」へと続く冒頭3曲の流れが昔から大好きです。その後も凝りまくった曲が続くのですが、あまり「ひねくれてる」とか「ねじれポップ」という形容を彼等に対して用いる気にならないのは、直枝の男気あるヴォーカルの魅力のせい。後半の曲では「センチメンタル」と「Real Man」が特にお気に入りです。