ルネッサンス『シェエラザード夜話』
- アーティスト: Renaissance
- 出版社/メーカー: ディスク・ユニオン
- 発売日: 2002/12/06
- メディア: CD
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アルバムの中心はLPでいうところのB面全てを用いた大曲「シェエラザード夜話」。リムスキー・コルサコフの代表作「交響組曲シェエラザード」に影響を受けてつくられたことは明白ですが、本家に負けない充実ぶり。雄大なスケールに加えてちゃんとロック的な勢いもあるし、緩急自在な構成で最後まで緊張感を保ったまま、一編の映画のような世界が展開していくのです。
しかし、このアルバムの価値をより高めているのは前半の3曲目「オーシャン・ジプシー」の存在です。叙情的なメロディーとアニー・ハズラムの透明で憂いを含んだ歌唱が見事に調和した、ルネッサンス一世一代の名曲。アルバムトータルとしても傑作ということは承知しているのですが、ついついこの曲だけずっとリピートしてしまうことが良くあるんですよね。たとえルネッサンスが世の中にこの曲しか残さなかったとしてもロック史に残るバンドになっていたのでは・・・と思わせるくらいの魅力を持った、正に畢生の傑作とよぶに相応しい一曲だと思います。