湯川潮音『紫陽花の庭』

紫陽花の庭

梅雨のうっとうしさをしばし忘れさせてくれる湯川潮音のミニ・アルバム。

全6曲の3曲ずつを鈴木惣一朗と栗原正巳でプロデュースを分け合っているのですが、これが効を奏してぬくもりのあるポップな音楽となっています。前作が内省的だっただけに(これはこれで大好きだけど)、この軽やかさが一層際立っていますね。中でも3曲目「さよならの夢」と4曲目「ツバメの唄」は新境地。栗原がチューバの関島岳郎、サックスの川口義之という栗コーダー人脈を起用して、ちょっとディキシー調に仕上げた「さよならの夢」は街角で演奏したら似合いそう。一方、鈴木惣一朗が手がけた「ツバメの唄」は、しっとりした感触をわずかに残しながらも弾むようなリズムと覚えやすくて伸びやかなメロディーが楽しい曲。間奏のバンジョーがいい味出しています。他にもライヴで以前から歌っていた「からっ風」や黒沢健一曲「二人の手紙」なども収録されており、中身のつまった充実した作品となっています。作品を発表するごとに着実に歩みを進めていることが感じられて、昔からのファンとしてはうれしいかぎりなのでありました。


それでは、彼女のコミカルなダンスが楽しい「ツバメの唄」のPVをご覧ください。
いやあ可愛いなあ〜。
http://www.youtube.com/watch?v=CHkcd4T2bsQ