ルイ・ヴェガ・プレゼンツ・ルイシート・キンテーロ『パーカッション・マッドネス』

パーカッション・マッドネス

パーカッション・マッドネス

ラテン・パーカッション好きにはたまらない一枚。マスターズ・アット・ワークのルイ・ヴェガが、元々彼のプロジェクトでも活躍していたパーカッショニスト、ルイシート・キンテーロを前面に押し出して制作したアルバムです。
全編にわたってルイシートの強力かつ正確無比なパーカッションが鳴り響いているのはもちろんですが、「マッドネス」と銘打たれていても狂乱状態になることはありません。太いベース・ラインの上をパーカッションやフルート、オルガンが舞う快適なナンバーやフェラ・クティのカヴァー、お洒落なサンバ、熱く盛り上がるジャム・セッションなど、ルイ・ヴェガのツボを心得た、緩急自在のプロデュース・ワークが光ります。スタイリッッシュなクラブ向けのサウンドにもちゃんとなっているところが見事ですね。ラストにスティーヴィー・ワンダーっぽい曲を持ってきて幕を閉じるところも実に心憎く、流石の仕事師ぶりです。