チャールズ・ミンガス「ミンガス・アー・ウム」

Mingus Ah Um

Mingus Ah Um

チャールズ・ミンガスマイルス・デイヴィスジョン・コルトレーンセロニアス・モンクバド・パウエルなどに負けないビッグ・ネームですが、彼等に比べてあまり聴かれていないように感じます。本当にそうだとしたら残念ですね。では、もしまだミンガスを聴いたことのない人にお勧めする“ミンガス最初の一枚”はどのアルバムがいいでしょう。「直立猿人」?「プレゼンツ・ミンガス」?「ブルース&ルーツ」?・・・名盤が多くて難しい問題ですが、私ならこの「ミンガス・アー・ウム」を推薦します。理由はコンパクトにまとめられた名曲が多く収録されているから。


ジェフ・ベックがカヴァーしたことで、ロック・ファンにも有名な「グッドバイ・ポーク・パイ・ハット」や美しいサウンド・メイキングが光る「三色の自画像」、プロテスト・ジャズの代表曲といえる「フォーバス知事の寓話」といった、ミンガスの代表作ともいえる名曲がこのアルバムには全て収録されています。エリック・ドルフィーローランド・カークといった超個性派こそ参加していませんが、グループによるまとまりのよいサウンドを聴くことができるのです。


ベース・プレイヤーとしてはもちろんのこと、少人数でも大編成のように聴かせるアレンジ能力、いい曲を書けるコンポーザーとしても素晴らしい実績を残しているミンガス。乱暴な発言をしますが、マイルス・デイヴィスジョン・コルトレーンビル・エヴァンスはわざわざ聴け!なんて言わなくても音楽好きならある程度は聴くと思うんですね(笑)。今、書かれるべきは「ミンガスを聴け!」だと思うのですが・・・どうでしょうか?。