スケルトン・クルー「Learn to Talk / Country of...」

スケルトン・クルー

前回取り上げたマサカーも素晴らしいのですが、私がフレッド・フリス関連で一番好きなのは今回取り上げたスケルトン・クルーなんですね。今回マサカーと一緒に84年作の1st「ラーン・トゥ・トーク」と86年の2nd「ザ・カントリー・オヴ・ブラインズ」がセットになってリマスターされ再発されて大喜びしています。
ヘンリー・カウ解散後、80年代のフレッド・フリスは様々なアーティストとコラボレーションを重ねて、自在な活動を展開していきました。そんな彼の活動の中でも特にユニークなのがスケルトン・クルーです。本来は4人組のバンドとしてスタートする予定だったのが、健康上の理由でドラマーとベーシストがあっという間に脱退。残ったのがギタリスト、フリスとチェロ奏者のトム・コラでした。2人はあえてメンバーの補充をせず、楽器をいろいろ持ち替えたりしながら歌い、演奏する道を選んだのです。
1st「ラーン・トゥ・トーク」はそんな彼等の前衛性とどこか大道芸人的なユーモアが楽しめる作品です。例えるならハード・エッジな「雅寛と良明(ガカリョー)」か*1。彼等の出発点を記録したドキュメントとしての価値も高いでしょう。
しかし作品の完成度でいうなら2nd「ザ・カントリー・オヴ・ブラインズ」です。ここでは新メンバーとして女性ハーピストジーナ・パーキンスが加わりサウンドの幅が広がりました。*2これは掛け値無しの名作だと思います。ねじれポップファンの人にも薦めることができますね。80年代のフレッド・フリスのソロ・アルバム「グラヴィティ」や「チープ・アット・ザ・ハーフ・プライス」と併せて聴くとより楽しめますよ。

*1:一部の人にしか通じない例えですみません(^_^;)

*2:ジーナ・パーキンスはビョークが傑作「ヴェスパタイン」を発表したときのツアーにも参加し、印象深いパフォーマンスを披露していますね。その勇姿は

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