マサカー「キリング・タイム」

マサカー

これは待ちに待っていたリマスター再発盤のひとつ。オリジナルは81年発表。
マサカーは、ヘンリー・カウ解散直後にニューヨークに渡ったフレッド・フリスがビズ・ラズウェル、フレッド・メイヤーと結成した3ピース・バンド。ユニットとしては1年半も持たず、このアルバム1枚残しただけで解散してしまいます*1
内容はといえば、終始ピンと張り詰めたテンションが持続したまま疾走するスリリングな作品。ニューウェイヴの空気をいっぱいに吸い込みながら、それを突き抜けた輝きを放つ名作です。過剰にエゴをぶつけ合うようなことはないのですが、いわゆる「職人芸」的なところは微塵も感じられない。知情意の絶妙なバランスの上で成り立っている演奏といえばいいでしょうか。リマスターによってより音楽の構造が際立ち、強度が増したように感じられます。国内盤のライナーノートは菊地成孔

*1:17年後にドラムにチャールズ・ヘイワードを迎えて復活するのですが