ボビー・ウーマック「アンダースタンディング」

Understanding

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私のボビー・ウーマックのコレクション(というのもおこがましい)は貧弱なもので、初期のアルバムを4枚程持っているにすぎないのですが、どれも愛聴盤です。泥臭い声でシャウトするディープなシンガーでありながら、一方で洗練されたポップ・センスを感じさせてくれるのがたまりません。なかでも格別なのが今回取り上げた「アンダースタンディング」。72年発表の5作目ですが、同時期に活躍していたマーヴィン・ゲイスティーヴィー・ワンダーカーティス・メイフィールドスライ&ファミリーストーンなどの傑作と比べても決してひけをとらない輝きを放つ名作といえるでしょう。熱いヴォーカルを聴かせる冒頭のタイトル・チューンから、ジェームズ・テイラーもカヴァーした、躍動的なベース・ラインが印象的な「Woman's Gotta Have it」へと続く名曲2連発でもう虜になってしまいます。バラードでの深い歌唱も冴え渡っていて、トータル36分弱を一気に聴かせます。そろそろリマスター盤が出てもおかしくないと思うのですが・・・。