アーチー・シェップ「ザ・クライ・オブ・マイ・ピープル」

ザ・クライ・オブ・マイ・ピープル

ザ・クライ・オブ・マイ・ピープル

アーチー・シェップはインパルス時代が最高だったと思いますが、そのインパルス時代の諸作中でもひときわ怪しい輝きを持っていた傑作「アッティカ・ブルース」に続いて発表されたのがこのアルバムです。
この時期のシェップはフリー・ジャズに止まらず、ゴスペル、ファンク、ソウル、アフロ等、ブラック・ミュージック全体を丸呑みにせんばかりの意欲を見せ、果敢な挑戦を繰り広げていました。ほとんどの曲が10名以上の大編成で演奏され、ヴォーカルが入ることもしばしば。そしてそのアンサンブルは黒光りした妖しい美しさを放っています。冒頭のゴスペルにはじまったブラック・ミュージック探訪の旅が、アフリカン・ドラムまで行きつき、最後にエリントン・ナンバー「カム・サンディ」でクライマックスを迎える流れが素晴らしく感動的です。