V.A「RELAXIN' WITH LOVERS VOLUME 8 ARIWA LOVERS ROCK CO」

huraibou2005-08-13

UKレゲエ界を代表するひとり、マッド・プロフェッサー。マッシヴ・アタックのダブ・アルバムを手がけたり、ピチカート・ファイヴがシングル「ラヴァーズ・ロック」で彼のサウンドのコピーを試みたりしたことから、レゲエ・ファン以外にも彼のつくりだすサウンドを好む人は多いはず。かくいう私もその一人です。彼の主宰するレーベル、アリーワはアイデアに富んだダブ(「ダブ・ミー・クレイジー」シリーズをどれでもいいから聴いてみれば特色がすぐわかります。特にホーンを効果的に用いた「サイケデリック・ダブ」がお勧め)と、甘いラヴァーズ・ロックが2枚看板。どちらも輪郭のはっきりとしたクリアーで涼しいサウンドを基調にした、マッド・プロフェッサーの才気が存分に発揮されています。一度好きになれば期待を裏切られることはまずありません。
このコンピレーションはラヴァーズ・ロックを集めたもので、山名昇が選曲を担当したのがポイント。全体的にフリー・ソウル色が濃いと思います。「You'll Never Get To Heaven」「My Guy」「Gonna Take A Miracle」といったカヴァーの出来がとても良く、なかでも「Gonna Take A Miracle」の爽やかさは夏の湿気を忘れさせてくれるほど心地よい。男性コーラス・グループ、インテンスが3曲冒頭に置かれているなど、選曲にも一工夫されていますが、その結果マッド・プロフェッサーがかねてから尊敬の念をあらわにしていた、トム・ベルとの親近性がはっきりと浮かびあがってきたのが個人的にはとても面白いところでした。