Readymade Digs Disney2 & Readymade Digs Disney 3

  
このシリーズ、最初のアルバムはカヴァー・アルバムなのはいいとしてもCCCDだったのでスルーしていたのですが、通常のCDとして出されたこの2と3は無視するわけにはいきません。「1」と異なり、カヴァーやリミックスではなくて、コンピレーション・アルバムなのですが、両者とも通常のベスト・アルバムとは異なり、サントラの音源ではなく1956年に設立された、ディズニー・ファンのためのディズニー専門レーベル「ディズニーランド・レコード」の60〜70年代の音源を収録しているのです。選曲は小西康陽。「今回の2枚のコンピレイションは、DJとして、コレクターとして、ただのレコード好きとしてディグした盤です」とライナーノーツで語っているように、どちらの盤からもとびきりハッピーでごきげんな曲が次から次へと飛び出してくる、文句なしに楽しいアルバムになっています。おなじみのメロディー、「イッツ・ア・スモール・ワールド」や「ミッキー・マウス・マーチ」も何回か形を変えて登場し、特にマニアではない人でも充分に楽しめるでしょう。
かつてのディズニーの音楽といえば、シャーマン兄弟がまず思い浮かぶのですが、このコンピレーションはそれ以外にも豊かな才能の持ち主がディズニーの旗の下に結集していたことを教えてくれます。ビッグ・バンドもロックン・ロールもなんでもござれ、カラフルでファンシーなサウンドを存分に聴かせてくれるアレンジャー、トゥッティ・カマラータがその代表といえるでしょう。素晴らしい混声コーラスを披露するイギリスのグループ、マイク・サムズ・シンガーズの活躍も印象的です。もちろん「ピノキオ」のコオロギ、ジミー・クリケット役で有名な“ウクレレ・アイク”ことクリフ・エドワーズ*1ルイ・アームストロングといった大物も登場します。「2」はややジャジーで「3」はソフト・ロック的な楽曲を中心として選曲されているのですが、ディズニーの音楽に心ときめいたことのある方なら、どちらも必携ですね。

*1:彼のアルバム「ウクレレ・アイクは歌う」はかつてCDで出ていました。あたたかみのある素敵なアルバムで愛聴したものです