トッド・ラングレン「未来から来たトッド」

Todd

Todd

これは<ひとりホワイト・アルバム>ですね。ジャケットの顔は疲れ気味だけど、中身は得たいのしれないエネルギーが渦巻く。ポップあり、バラードあり、ハード・ロックあり、ミュージカルもありとやりたいことが溢れて止まらない感じ。どこを聴いても何かしら「過剰」な印象をあたえるアルバムです。そのようなところが苦手、という方もいるでしょうが、私にとってはこれこそがトッドの魅力。「サムシング/エニシング」や「ハーミット・オブ・ミンク・ホロウ」といったポップ名盤ももちろん大好きなのですが、70年代トッドの最高傑作は?ともし尋ねられたら、この「未来から来たトッド」を挙げます。構成なんて考えていないようでいて、「ドント・ユー・エヴァー・ラーン?」「サンズ・オブ・1984」でしっかりとロック的クライマックスをもってきて最後を締めくくるのが心憎い。これぞトッドの真骨頂がいかんなく発揮された傑作アルバム。