ヴィセント・アトミクス「ヴィンセントⅡ」

VINCENT(2)

VINCENT(2)

年初の日記でも少し書いたけど、強力なメンバーによって構成されているグループです。しかもその編成がおもしろい。リーダーは芳垣安洋(dr)ですが、もうひとりのドラマー、岡部洋一を擁するツイン・ドラム。さらにトロンボーン青木タイセイ、松本治、ヴァイオリンに勝井祐二、太田恵資。これにパーカッションの高良久美子とベースの水谷浩章を加えたラインアップです。90年代のキング・クリムゾンを連想させるこの編成ですが、ツイン・ドラムによるポリリズムと水谷のベースを土台にして各メンバーがそれぞれ腕を競い合う、カラフルなサウンドが魅力です。際立った対照を見せているのはヴァイオリンで、勝井のアグレッシヴなプレイに対し、太田はアラビックなフレーズと官能的な音色で迫ります。これによってアヴァンギャルドと歌心が平然と両立してしまう懐の深さがバンドに生まれました。さらに見逃せないのが高良久美子の千変万化のパーカッション。フランク・ザッパマザーズ・オブ・インヴェンションで活躍した、あの天才ルース・アンダーウッドを彷彿とさせる活躍ぶりで、終始耳を奪われっぱなしでした。現在早くも3rdアルバムの制作を進めているという彼ら、一度生を体験してみたい!