リンゴ・スター「クリスマス・コレクション」

クリスマス・コレクション

クリスマス・コレクション

意外、というべきでしょうか、ビートルズにはちゃんとしたクリスマス・アルバムがありません。1963年から1969年までファン・クラブの会員向けに出したソノシートがあるだけなのです。なかなか耳にすることはないこれらのソノシートに収録されていたオリジナル・ソング「クリスマス・タイム・イズ・ヒア・アゲイン」をこのアルバムでリンゴが取り上げたのは心憎いサービス精神といえるのではないでしょうか。ここでのリンゴはかなり歌もドラムも元気いっぱい。だけど、ちょっととぼけた味わいも残っている。そう、誰もが待ち望んでいるリンゴ・スター像がここには収められているのです。

ビートル達のクリスマス・ソング

解散後のビートル達が残したクリスマス・ソングといえば、なんといってもジョン・レノン「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」でしょう。

Happy Xmas

Happy Xmas

ジョンのソロ・ナンバー中、1,2を争う名曲ですね。ハーレム・コミュニティー・コーラスの起用も大当たりで、ポップさとメッセージ性が見事に融合した曲といえるでしょう。世界中の全ての人に平和を訴える歌詞も多くのミュージシャンに影響を与えているわけですが、ここでは邦楽から2曲。佐野元春のレゲエ調クリスマス・ソング「クリスマス・タイム・イン・ブルー」はジョン・レノンボブ・マーリーを1曲でやろうとしたように聴こえます。作詞が鈴木慶一、作曲に高橋幸宏というビートニクス・コンビによる「神を忘れて、祝えよX'mas Time」はジョン・レノンピーター・ゲイブリエルといった趣ですね。
さて、ポール・マッカートニー「ワンダフル・クリスマス・タイム」はなんともあっけらかんとしたテクノ・ポップで熱心なジョン・レノン派から糾弾されそう(笑)。しかしこれもポール度全開の超ポップなメロディを聴かせる曲で、やはり名曲だと思いますよ。
ジョージではアルバム「ダーク・ホース」収録の「ディン・ドン」がクリスマス・ソングといえるのでしょうか。このアルバムの頃のジョージは不調だったのであまり熱心に聴いていないんですよね・・・「ファー・イースト・マン」は素晴らしいのですが。