世界的に大ヒットした「惑星」、小品集といった趣の「宇宙幻想」に続く作品で、“スペース・
サウンド”ものの最後をしめくくるアルバム。メインとなる素材は
プロコフィエフなのですが、今回はストーリー性をもたせるため、冨田の自作曲も使用されているのが新機軸。新曲ばかりではなく、「
どろろ」のテーマを「地球という空洞の器」を表すためにアレンジしています。全体的に硬質なイメージで、ユーモラスな要素が減少したのが個人的には物足りないところなのですが、完成度は流石に高い。使用機材ではYMOがステージで使用していたことで有名な
シーケンサー、MC−8が新たに導入されているのに注目。録音は78年。テクノ・ポップが胎動を始めた時代なのでした。