ファン・ボーイ・スリー「ファン・ボーイ・スリー」

ファン・ボーイ・スリー

ファン・ボーイ・スリー

がんばれ日の丸選手団!なジャケットで登場した82年の1st。スペシャルズを脱退したテリー・ホールが新たに結成したユニットです。スペシャルズ時代の2トーン・スカから一転、彼等がターゲットに定めたのはアフリカン・ビート。冒頭の「Sanctuary」はHosanna in excelsisといったキリスト教のミサの文句をアフリカン・コーラスで歌うといった曲で、なかなか気合が入っていると思わせるのですが、ゆるいリズム・ループと、ニューウェーヴ時代特有のキッチュサウンドの質感、当時はまだ有名ではなかったバナナラマによるコーラスなどがあいまって、全体としてはとぼけたユーモアが魅力の良質なポップ・アルバムになっております。なんだか阿波踊りを連想させる「Funrama 2」やのどかなビートと電話のベルのSEがいい感じの「The Telephone always rings」をはじめ、ねじれポップのファンならツボにはまりそうな曲ばっかりですよ。いなたいようでどこか洒落ているところが好きです。