曲良し、演奏良し、センス良しと3拍子揃った好グループ。
ムーンライダーズが好きで、もしこのアルバムを聴いたことがない人がいるならば、すぐCDショップへ走らねばなりません。発表当時
鈴木慶一が大絶賛した77年のこの1stアルバムは、
ムーンライダーズ「
ヌーヴェル・ヴァーグ」に大きな影響を与えた作品。聴いてみればすぐわかります。
ムーンライダーズに関心がなくても、このアルバムは楽しめることうけあい。イギリス特有のねじれポップと、高い演奏力がバランスよく含まれている質の高いポップ・ミュージック。個人的にはもうちょっとヴォーカルが垢抜けていれば申し分なかったのですが、まあいいです。ルパート・ハインがプロデュースを手がけ、
フィル・コリンズがゲストで参加。さりげなく
アコーディオンを使ったり、無国籍感覚とドラマティックな展開が見事に融合していたり、あちこちにちりばめられた仕掛けがいちいちキマっています。ジャズやブルー
ジーな要素も適度に加味されていて、バンドとスタッフが一体となっていい作品をつくろうとした意欲がはっきりと伝わってくるのですが、当時は全然話題にならず、この後2nd「インターナショナル」を残して消えてしまったのが残念。