The Good-bye「READY!STEADY!!THE GOOD-BYE!!!」(ASIN:B0002IJPNS)

グッドバイ

今年に入ってから能地祐子さんのHPを中心に、CRT方面でしきりに盛り上がっていたザ・グッバイ。最新号のレコード・コレクターズにも今回の再発と連動した小特集が組まれていたのですが、たのきんトリオをリアルで見ていた私でも彼らの記憶はあまり無かったのでした。彼らがデビューした頃の私は、アイドルを馬鹿にするのがかっこいいんだと勘違いしつつあった時期でしたからね。私の場合、現在の方が中・高校生の時よりはるかに感性に忠実に音楽に接しております。

閑話休題ザ・グッバイはこの間の飲み会の時にもちょっと話題になったのですが、やはり彼らの曲をしっかりと覚えている人はいなくて、私も含めて「ずいぶん褒めているけどそんなに良かったっけかなー。いちおうベスト盤だけでも聴いてみようかなー」状態。幸い満点になったポイントカードがあったので、期待と不安が半々でこのベスト盤を入手したわけですが、思っていたよりずっと良かったです。

既に能地さんや本秀康さんがさんざん力説しているように、ビートルズはもちろん、バッドフィンガー、ビーチ・ボーイズ、XTC、T.REX、ELOなどなどのオマージュや遊びの要素にあふれたサウンド。ここまで徹底しているとは思わなかったなあ。杉真理や、初期のパフィー*1、2期タンポポ*2などに通底するポップスの楽しさが感じられるのですが、ザ・グッバイにはしっかりとバンド・サウンドの魅力もあるのがポイントです。「Da Doo Ron Ron」で「ウララカ」な「浮気なロンリーガール」はナイアガラーも一聴の価値あり。安田謙一がDJのとき、T.REX「ソリッド・ゴールド・イージー・アクション」とつないで遊んだという「気分モヤモヤ サラサラ チクチク」はその堂々としたいただきっぷりがいっそ清清しい・・・とひとつひとつ書いていけばキリがないのですが、彼らの遊びには小技はあっても、小ざかしさは感じられないので好感がもてます。音楽が好きな気持ちがまっすぐ伝わってくる、いいバンド。しっかりと耳にするのはずいぶん遅くなってしまったけど、きちんと聴けてよかった。オリジナルアルバムの再発は9月。全部買うかどうかは微妙ですが、サイケに挑んだという「FIFTH DIMENTION」はアルバム単位で聴いてみたいですね。


※(参考)ノージのTHE GOOD−BYE学習帳

http://www.dadooronron.com/goodbye/index.html

*1:というか奥田民夫

*2:というか永井ルイ