ザ・スリッツ「カット」(ASIN:B00005NRZZ)

cut

泥んこヌードに褌という気合の入ったジャケットがカッコ良すぎる。ニューウェイヴが生んだ最高のガール・ポップ・グループのデビュー・アルバム。
プロデューサーにUKダブの大御所、デニス・ボーウェルを迎えて生み出されたそのサウンドは、太いベースと、岩を転がしているようなドラムのずんどこした響きが印象的。そこにひっかくようなギターのカッティングとヴォーカルが暴れまわります。素人っぽい歌い方なのですが、時々小野洋子ビョークが降臨する瞬間も。先に“ガール・ポップ”と書きましたが、どこか知らない民族の祭典の記録だといわれても、つい信じてしまいそうな気がするくらい野性的で自由なエネルギーが満ちています。クールな音像と奔放な熱気が何故か共存してしまったのが、この音楽の最大の魅力。最近やっとCD化された2ndも同じく傑作です。