ミカ・カウリスマキ「モロ・ノ・ブラジル」

えー、恥ずかしながらアキ・カウリスマキは知ってましたが、兄のミカの方は全く知りませんでした。ブラジル音楽のルーツを辿るロード・ムービーです。一口に「ブラジル音楽」といってもそのジャンルは多岐にわたるのですが、ここでミカ・カウリスマキが焦点を定めたのは「ストリート・ミュージックとしてのブラジリアン・ミュージック」です。北東部のベルナンブコ州での先住民族の音楽から始まり、マラカトゥ、フレーヴォ、コーコ、エンボラータなどの音楽が次々に登場していきます。出てくる人物は無名の人ばかりですが、皆素晴らしい演奏をするところがブラジルの奥深さ。そしてバイーアに移って、カントンブレの儀式や、デヴィット・バーンのアルバムにも参加したシンガー、マルガレッチ・メネーゼスのパフォーマンスなどが紹介された後、舞台はリオへ。サンバ・カーニヴァルの映像も流れますが、マンゲイラでのレポが見所です。そして脈々と流れてきたブラジリアン・ミュージックの伝統は今もなお、ファンクやヒップ・ホップを飲み込んで続いてることを示して映画は終わります。途中JBセックス・マシ−ン」「エヴリバディ・ワナ・ゲット・ファンク・ワン・モア・タイム」まで飛び出す、ファンキン・ラタのパフォ−マンスが圧巻。とにかく全編にわたって鳴り響くリズム、無名ではあっても自分たちの音楽を誇りを持って語り、歌う登場人物達に非常に感銘をうけました。サントラ(写真)を購入しましたが、映画で出てくる音楽が全て収録されていないので残念。これは夏に出るというDVDをゲットするしかないですね。ミカ・カウリスマキ監督、次回作はショーロのドキュメントを予定しているそうで、これまたブラジル音楽ファン必見の映画となりそう。


1月4日
帰宅。駅で買ったスポーツ紙で辻加護の娘。脱退を知ってびっくり。出て行く方より残った方の今後が気になる。