ミヒャエル・リシェ(p)「1920年代のピアノ協奏曲集Vol.2」(ASIN:B0000V4MD0)

またもや


第2集も珍しい曲からスタート。エルヴィーン・シュルホフの「ピアノと小オーケストラのための協奏曲」です。最初の2つの楽章は幻想的な響きなのが、最終楽章になって突如打楽器が鳴り響くにぎやかな曲想になるという変わった曲。クレジットを見るとオケの指揮者がガンサー・シュラーとなっているのですが、もしかしてサード・ストリームを提唱した人ですか?
続いてはジョージ・アンタイル「ジャズ・シンフォニー」。前集に収録されていたピアノ協奏曲よりぐっとポップになりました。なかなか面白い曲です。まあ、スコット・ジョップリンとかを大体的に引用しているせいもありますが。ユーモラスなところもあるのが私好み。ストラヴィンスキー色も濃いです。
そして大トリは出ました、ガーシュイン「ピアノ協奏曲へ調」。ガーシュイン自身がアメリカン・ポップ・ミュージックのルーツ的なところがありますからね。ヴァン・ダイク・パークスなどに親しんでいる人なら違和感なく聴けるのではないでしょうか。
というわけで、ラヴェルガーシュインといった有名ところを抜かりなく配置し、マイナーな存在だった曲を聴かせるといったこの試み、かなり成功していると思います。こういった企画はどんどんやって欲しいですね。