西脇順三郎詩集 岩波文庫

・・・に収録されている「秋」という詩*1から。2節に分かれているうちの後半

タイフーンの吹いている朝
近所の店へ行って
あの黄色い外国製の鉛筆を買った
扇のように軽い鉛筆だ
あのやわらかい木
けずった木屑を燃やすと
バラモンのにおいがする
門をとじて思うのだ
明朝はもう秋だ

という部分です。明日はもう秋の光に街がつつまれるのだろうか。なぜかしみじみ。

*1:元々は詩集「近代の寓話」に収録。