大友良英「blue」(ASIN:B00008P0U9)

魚喃キリコによるコミックを原作として今年の2月に公開された映画のサントラ盤です。録音には栗コーダーカルテットのリーダーでもある栗原正己や、芳垣安洋、キーボーディストの江藤直子が参加。2曲には、原作者の魚喃キリコ、主演の市川実日子、監督の安藤尋らがゲスト・パーカッション奏者として参加しているそうです。原作も映画も未見なんですが、音楽は栗原のリコーダーによる素朴なメロディーが美しく響くもの。こんなにメロディアスな大友作品をこれまで聴いたことがなかったので新鮮でした。やっぱり音楽的な幅が広くないと映画音楽はできないんですね。甘美な旋律の裏にはノイズ的な要素もしのばせてあって、緊張感を保っているものになっているのは流石です。「空の青さが僕を泣きたくさせる」という、ジョン・レノン*1の言葉を思い出す、そんな音楽。

  • なんだか台風とともに急に秋めいた感じですね。今日はちょっと肌寒いです。こんなとき思い出すのが、

*1:もちろん「ビコーズ」の一節ですね。ジョンが書いた最も美しい詩と曲のひとつ