ロイ・ウッド「マスタード」(ASIN:B00005F1B9)

ロイ・ウッド


ストーンズのお方と取り違えられることの多い人。名前も間違いやすい上に、その活動履歴を見てもムーヴ、ELO,ウィザードと軌道にのったかと思ったら身を引いて次の試みにむかってしまうので、余計とらえどころがない印象を与えてしまうという困った人です。とはいえ、この優れたポップ職人を聴かずに放っておくのはもったいない。ウィザードでみせた英国流スペクター・サウンドのアプローチは大滝詠一師匠にも影響を与えていることだし。
さて、今回とりあげるのは彼の2枚目のソロ・アルバムです。ソロ・アルバムでの彼はトッド・ラングレンばりの一人多重録音を駆使してめくるめくポップ・ワールドを展開します。冒頭のタイトル曲では40年代のアナログ盤のサウンドを再現。つづくキャッチーな「エニー・オールド・タイム・ウィル・ドゥ」へ続く流れが見事です。その後もビーチ・ボーイズ風やスペクター風など、ポップス・ファンが喜ぶ曲がならぶ、本当に楽しいアルバムです。タイトルとジャケットに引いてしまうかもしれませんが、愛すべきポップ・ミュージックがぎっしり詰まってますよ。