クラフトワーク「ツール・ド・フランス・サウンドトラックス」(ASIN:B0000AWEL8)

自転車好き


老舗の料理屋が最近代替わりしました。2代目はやる気満々で先代のレシピをしっかり受け継いで腕を振るう・・・ところが常連の反応が芳しくない。出てくる言葉は一様に「親父を越えていない」「味が落ちた」というネガティブなものばかり。以前と寸分同じ物を出しているのに何故、と悩む2代目にある男がアドバイス。「前と同じままじゃだめだ。先代を上回って初めて並んだと評価されるんだ」。その言葉に一念発起した2代目。調味料や出汁のとり方などに工夫を加え、ついに常連の方々に「ようやく親父さんと並んだな」と言わせるのに成功したのでありました。
・・・・といった話が「美味しんぼ」かなにかにあったような記憶がありますが、代替わりしてないとはいえ久々のクラフトワークの新譜を聴いて思ったのが上の話です。うわー昔と同じだーと一聴感じたのですが、その裏にはこれまでにも増して研ぎ澄まされた音色、エコーなどのサウンド設計があり、それがあるからこそ「昔と同じなのに新鮮に感じる」といった聴後感を引き出しているのではないでしょうか。要するに昔のファンも失望しないから、ぜひ聴いてみてくださいということに尽きるのですが。4ツ打ちのビートもあくまで軽くしているのに微笑。
ところでCCCDを回避したというから国内盤を購入したのに、盤面にCCCDのマークがプリントされていてギョッとしました。実際はCD−EXTRAだったので安心しましたが、いい加減なんとかしてほしいものです。