9/14東京ザヴィヌルバッハ ライヴ at Motion Blue 横浜

9/14にモーション・ブルー横浜で東京ザヴィヌルバッハのライヴを見てきました。このHPを立ちあげて何度も菊地成孔情報を書いているくせに、生の演奏を見るのは恥ずかしながら初めて。レコードなら山下洋輔トリオ『プレイグラウンド』から聴いているんですけどね・・・。ようやく念願かなったというところです。時間の関係で1stセットしか見られませんでしたが、充分満足できるものでした。


ざっと解説しておきますと、東京ザヴィヌルバッハとはキーボードの坪口昌恭と、サックス、CDJの菊地成孔からなるユニットです。大きな特徴はマッキントッシュの自動作曲・変奏ソフト「M」でリズムを走らせ、そのランダムなビートとセッションするということ。今年はアメリカン・クラーベで大活躍のドラマー、オラシオ・エル・ネグロ・エルナンデスをゲストに迎えたアルバム『ヴォーグ・アフリカ』を発表し、一段と進化した姿を見せてくれました。


さて、菊地さんが不満を述べている(笑)*1食事を満喫して(結構おいしかったけどな〜)、ちょうど程よくワインの酔いもまわってきたころステージに2人が登場。坪口さんは白のスーツ、菊地さんが黒のスーツといういでたち。まずは菊地さんはCDJに向かい、スクラッチを多用しながらキーボードと絡んで行きます。うねりのあるビートが前面に出てきたところで、アルト・サックスのソロをひとくさり。抜けのいい、つややかな音色にしびれました。またCDJへ。黙々と(と見える)ソロをとる坪口さんを見ながら、片手でスクラッチ。そしてやおらポケットに手をつっこんでタバコを取り出し紫煙をくゆらせます。この辺の動作には不思議な魅力がありましたね。CDを交換して今度はわざとそのCDを普通に流したり、そしてそれをまたグリッチ・ノイズにしたりと自在な操作で演奏の流れにメリハリをつけていきます。そしてこっちが「そろそろ吹け〜」と待ちきれなくなったところで、今度はテナー・サックスでソロ。これはウエイン・ショーターを彷彿とさせるマジカルなソロでした。後半キーボードと同じフレーズをユニゾンであわせていき、再び坪口ソロへ。ソロの度に音色を変えてシャープな演奏を聴かせてくれました。再びCDJを操る菊地さん。アブストラクトな空間を築いていきます。そして3度目のサックス・ソロはソプラノで。ここが個人的にこのライヴのハイライトでした。スピード感あふれるスリリングなフレーズ連発。後ろのスクリーンに演奏姿も映し出され、ヴォルテージがぐっと上がってきた印象。変則的ではありながらファンキーなビートとあいまって、このユニットならではの音世界が広がっていく様に圧倒されました。
やがてソロを終え、ちらっと時計を見た菊地さんが坪口さんに声をかけ、しばらくして演奏終了。およそ一時間という比較的短い時間ではありましたが、ノンストップで繰り広げられたサイバー・ファンクな空間を満喫できました。

*1:こちらの9/15の日記を参照http://park10.wakwak.com/~kikuchic/contents.html