ダニエル・ドレズナー『ゾンビ襲来 国際政治理論で、その日に備える』
- 作者: ダニエルドレズナー,谷口功一,山田高敬
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2012/10/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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おもしろマジメユーモアも多い点もこの本の長所。個人的にはこれまでの国際政治理論はゾンビ問題の学問的好奇心が欠乏していたことを指摘し、国際関係論の研究者や政策立案者などは、等しくゾンビの餌食となるに違いない」と指摘したくだりが特に面白かったです。
古典の書き手はリビング・デッドによって提起される問題を十分に意識していた。孫子はその『兵法』で「死地(death ground)に臨んだ際の戦いの重要性について強調しているが、これは明らかに不死者(undead)による切迫した脅威を予見している。(中略)トマス・ホッブスが自然状態を「絶え間ない恐怖と暴力的な死への危険に晒され、そこでの人間の生は、孤独で貧しく、汚らしく残忍で、そして、短い」と書き記した時、ゾンビは彼の心の中か、あるいは彼の家のドアの外にいた。(第2章 これまでのゾンビ研究より引用)