久しぶりに更新したと思ったら何を取り上げているんだと思われそうですが(^^;)、これは名盤です。奇才・
岩崎琢が普段は潜めている(?)抒情性を前面に出していて、
モリコーネばりの芳醇な響きのストリングス・
サウンドに存分に浸ることができます。また、いくつかの曲では
メシアンが「
トゥーランガリラ交響曲」で使用したことで有名な電子楽器、
オンド・マルトノを使用していることも本作の大きな特長。中でもストリングスが織りなす甘美な
サウンドに浮遊感のある
オンド・マルトノのソロが映える「Nostalgia」は掛け値なしに素晴らしい。それ以外の曲でも
クラリネットや
マンドリン、ブズーキなども巧みに生かして、単なるほのぼの系や癒し系の枠を飛び越えた、親しみやすさと格調高さが無理なく共存している音楽を提供しています。数曲で聞かれる打ち込みも自然に溶け合っていて、アルバム全体を奥行のあるものにしていますね。