いまだに人気が衰えない「
けいおん!」ですが、その劇場映画のサントラです。映画では
放課後ティータイムの演奏もたっぷり聴くことができましたが、このアルバムは百石元によるそれ以外のBGM集。映画の物語の進行にあわせた曲の配列になっているのですが、前半は朝の空気感を表した
ピアノ曲や、オルガンを使った
ボサノヴァなど、
イージーリスニング的な感触の楽曲がならびます。この部分も良いのですが、本作の聴きどころはなんといっても舞台がロンドンに移ってからの楽曲群にあります。到着場面での
バグパイプに始まり、UKロックっぽい雰囲気を持った曲や、イントロにメロトロンを用いた曲、いかにもジャパン・カルチャー風のテクノ・ポップなどがどんどん出てくるのです。もちろん本格的なブリ
ティッシュ・
サウンドやテクノ・ポップをやっているわけではないのですが、
キッチュな印象を与えることはなく、どの曲も品のある仕上がりとなっているところに作曲者のセンスを感じますね。主人公たちの歌や演奏は一切ありませんので、そちらを期待するとがっかりする方もいるかもしれませんが、一枚のサントラとして、これは魅力的な小品が詰まった、とても楽しめるアルバムとなっています。