V.A 『bar buenos aires – dedicated to Carlos Aguirre』

bar buenos aires ? dedicated to Carlos Aguirre

bar buenos aires ? dedicated to Carlos Aguirre

カルロス・アギーレに捧げられた、彼の音楽とその周辺のミュージシャンを中心としたコンピレーション。フォルクローレの息吹を底に宿しながらも、繊細な感性と現代的な感覚によって奏でられた美しい楽曲が18曲、ぎっしりと収録されています。カルロス・アギーレ自身の演奏は3曲。いずれもオリジナル・アルバムとは別の音源が収められています。スピネッタの名曲「Laura Va」の名カヴァーも聴くことができますが、やはりボーナス・トラック扱いとして最後に収録された新曲「Hiroshi」こそが本作最大の目玉でしょう。ブックレットには2010年に実現した、カルロスが来日に至った経緯が記されているのですが、それを読むとこの「Hiroshi」がコンピレーションを編纂したスタッフの情熱に、カルロスが応えたものであることがよくわかります。来日時に新曲として歌われ、もう一度聴いてみたいと思っていただけにこれは本当にうれしかったですね。
ジャケットや曲解説、ディスク・ガイドに至るまで、すみずみまでカルロス達の音楽への深い愛情と敬意が感じられるコンピレーション。しばらくはこれを聴きながら、既に完成しているというカルロスの新作が届けられる日を待つことにするとしましょう。