Perfume『ＪＰＮ』

JPN(初回限定盤)(DVD付)

前作から２年４か月という、アイドルにしては異例に長いインターバルを置いてリリースされた新作。オープニングをのぞくと純粋な新曲は４曲だけで残りは既発シングルが占めるという、まるで山下達郎のアルバムのような内容であることを事前に知って、聴く前は少々失望していたのが正直なところでした。ところが聴かせどころを心得た巧みな曲の配置と、新生面を見せた新曲の良さで既存曲も新鮮に響かせ、結果、Perfume過去最高の完成度を誇るアルバムになっていたのですから驚きです。
まず中期ＹＭＯ的雰囲気を漂わせた「The Opening」から「レーザービーム」〜「GLITTER」と続く流れが実にスムーズ。アルバム収録にあたって曲の構成も変えた「GLITTER」が単独で聴くより輝きを放っています。そして３人の生声を前面に出しただけではなく、これまでになかった曲調の新曲「時の針」の位置も絶妙。出だしのかしゆかヴォイスがたまりません。そして「ねぇ」のドラマティックなイントロが鳴り響く瞬間は第２部の開幕！といった趣でワクワクさせられます。「５７５」や「VOICE」でJPNっぽさを醸し出して終盤へなだれ込み、最後は近作の中でも最高の出来だったシングル「スパイス」で華麗に締めるという文句のつけようのない構成。アルバム全体を一気に聴かせます。Perfumeの勢いはまだまだ衰えていないことをしっかり証明した好盤ですね。