2011年お中元セレクト

久々にセレクトをつくってみました。上半期ベストの補足的な意味合いもあります。

1)アワ・プレイヤー / フォーレ四重奏団

マルタ・アルゲリッチが「フォーレ四重奏団を聞いたら、誰でも、もう一度聴きたくなる」と絶賛した弦楽四重奏団によるポップ・ミュージックのカヴァー・アルバムより。エリオット・スミスからピーター・ゲイブリエルジョン・ケールなど幅広い視点から選曲された本気度の高い1枚ですが、今回は全体のオープニングとして、ビーチ・ボーイズの名曲を取り上げました。

2)Memlihmu / アディティア・ソフィアン

クワイエット・ダウン(日本盤)

クワイエット・ダウン(日本盤)

インドネシアのSSW、アディティア・ソフィアンの1stから。親しみやすく、自然に口ずさみたくなる曲がかける人ですね。この曲はアルバムの中で唯一英語以外で歌われていますが、サビの「チキチキバンバン」のくだりは一度聴いたら忘れられません。

3)Coreira / Antonio Loureiro

高橋健太郎氏がミュージック・マガジン誌で2010年の年間ベストに選んだことで注目を集めた、Antonio Loureiroのアルバムから。甘美さと先鋭さが両立しているところに、カエターノ・ヴェローゾを思わせます。

4)Lupinus / SAKAN

Campolano

Campolano

ボッサ・タッチの軽い曲調の中に、強い意志を感じるPOKOPENのヴォーカルが映える。

5)Seculo Do Progresso / Telebossa

Telebossa

Telebossa

ブラジル人とドイツ人という異色の組み合わせのデュオ・ユニットの1stから。ノエル・ホーザの曲に少しミニマルの香りもする独特の味つけをほどこしています。

6)Illuminine / サーストン・ムーア

デモリッシュド・ソウツ

デモリッシュド・ソウツ

ベックと組んでリリースした最新ソロ・アルバムより。ベックの『シー・チェンジズ』を不良っぽくした一枚?知性とやさぐれ感が渾然一体となった雰囲気に惹かれます。

7)You Feel Right (Cornelius Mix) / If By Yes

本田ゆかとペトラ・ヘイデンを中心としたバンド、If By Yesによる1stの冒頭を飾った曲。コーネリアスのミックスにより、透明感が増した仕上がりになっています。アルバムにはデヴィッド・バーンとのデュオ曲も収録されており、そちらも必聴!

8)Secrets Of The Lake / Flag.Frog

Secrets of the lake / Foreign sun

Secrets of the lake / Foreign sun

繊細な感性で紡がれた音の粒子が心地よいエレクトロニカYuki Aida名義でリリースされた、これまた繊細なドローン・アルバム『songbook』もお薦め。

9)Witchi-Tai-To / 鈴木慶一

ヘイト船長回顧録 ラヴ航海士抄

ヘイト船長回顧録 ラヴ航海士抄

鈴木慶一のポテンシャルが遺憾なく発揮されたヘイト船長三部作を締めくくるアルバムから。白昼夢を思わせる歌とサウンド。Hakon Kornstadのサックスも強烈。

10)The Wilhelm Scream / James Blake

ジェイムス・ブレイク

ジェイムス・ブレイク

上半期を象徴する音楽となったJames Blake。深い喪失感と哀しみが胸に迫る。

11)Un Soffio Di Vento / Ilaria Graziano

YOKO KANNO produce Cyber Bicci

YOKO KANNO produce Cyber Bicci

深い哀しみからの浮上するために、このドリーミーな曲を。菅野よう子のサントラでたびたび起用されてきたイタリアのヴォーカリストのアルバムからで、作曲・編曲は当然菅野よう子です。

12)Salida / Tatiana Parra & Andrés Beeuwsaert

AQUI

AQUI

最後を締めくくるのは、アカ・セカ・トリオのキーボーディスト、Andrés Beeuwsaertとヴォーカリスト、Tatiana Parraによるアルバムからの1曲。リリカルなピアノと伸びやかな歌声が素晴らしい。