カルロス・アギーレ・グルーポ『カルロス・アギーレ・グルーポ(白盤)』

Carlos Aguirre Grupo(Crema)

Carlos Aguirre Grupo(Crema)

先日取り上げたメランコリック・アルゼンチンのコンピ盤から選曲者があえて収録しなかったのがカルロス・アギーレ・グルーポ。彼らについてはオリジナル・アルバムが国内盤としてリリースされることになっています。中心人物のカルロス・アギーレはこれまでにグルーポ名義で3枚、ソロ名義で1枚のアルバムを出しております。今回とりあげたのはグルーポ名義での1st。ジャケットから通称“白盤”と呼ばれています。
後のアルバムと比べて歌の比重が高く、室内楽的な繊細なアンサンブルとほのかな哀愁を帯びたヴォーカルの織り成す世界の美しさは格別なものがあります。彼のどのアルバムにも共通することですが、耳を澄まして聴いていると川のせせらぎや鳥の声、草原を渡る風のようなものを感じることができるのですね。ボサノヴァが好きな方やシンガー・ソングライターの音楽が好きな人にもとても魅力的に聴こえるアルバムではないかと思います。