待望のリマスター。マイク・ラトリッジ以外のメンバーが全員元ニュークリアスとなり、庇を貸して母屋を取られた?状態になった後期ソフトマシーンの代表作です。当時作曲面でグループを引っ張っていたのはカール・
ジェンキンスですが、演奏面の主役は新加入したギタリスト、
アラン・ホールズワースであることはほとんどの方が認めることでしょう。アルバム冒頭の
組曲「ハザード・プロフィール」は新生ソフトマシーンを象徴する楽曲で流麗にソロを弾きまくる
アラン・ホールズワースの技の冴えを堪能できます。グループ初となる本格的なギタリストの加入によって、表面的にはぐっと当時の
フュージョンに接近したかのように思えますが、カール・
ジェンキンス特有の浮遊感のあるリフによって構成された楽曲が彼らならではの個性を主張。「ハザード・プロフィール」の派手な展開に耳を奪われがちですが、アルバム後半の楽曲にはどことなく後年の
アディエマスを予感させるような雰囲気もあり、改めて聴くと色々発見の多い作品です。結局ホールズワースはトニー・ウィリアムズのニュー・ライフタイムへ参加するために、この1枚だけでグループを脱退するわけですが、もう1枚くらいはこのメンバーでアルバムを残して欲しかったですね。